太陽電池の歴史

歴史と研究開発

太陽電池は現在、電卓や腕時計、携帯電話、おもちゃなど私たちの身近な製品に多く利用されています。開発当初は人工衛星や灯台などでの利用が目的でしたが、現在は住宅や公共施設はもちろん、道路標識、ソーラーカーなど暮らしを支え、便利にする分野での実用化が進んでいます。

ここでは、その開発のきっかけや歴史、日本の動向などをご紹介します。

太陽電池のはじまりから普及

基本原理の発見

太陽電池の 歴史01

太陽電池(太陽光発電)の基本原理を発見したのは、フランスの物理学者アレクサンドル・エドモン・ベクレルです。
1839年、ベクレルは電解液に2つの電極を置き、光(可視光線や紫外線)を照射すると電気が起きる現象(光起電力効果、ベクレル効果などと呼ばれます)を発見します。
この基本原理をもとに固体(金属セレン)による光起電力効果の研究が進められ、1883年アメリカの発明家チャールズ・フリッツにより世界初の太陽電池が作られました。この「セレン光電池」の変換効率はわずか1%程度でしたが、1960年代までカメラの露出計や照度計などに使用されていました。

主流の確立

現在主流となっているシリコン半導体を用いた太陽電池は、1950年代にアメリカのベル研究所が発明、開発しました。当時の変換効率は6%。1958年にアメリカの人工衛星バンガード1号の宇宙用電源として単結晶シリコンの太陽電池が搭載されました。

普及へ

1960年代に入ると、宇宙用に続き灯台用の電源として普及が広がります。
日本でも1966年に当時世界最大の太陽電池(シャープ製)が長崎県の尾上島灯台へ設置されました。ちなみに、国内で最後の有人灯台だった長崎県の女島灯台も2006年に自家発電から太陽光発電へと切り替わり、国内すべての灯台が無人化されています。

日本国内での研究・開発本格化

オイルショックをきっかけに研究本格化

太陽電池の 歴史02

日本国内では、1973年の第一次石油危機(オイルショック)をきっかけに、太陽電池・太陽光発電の研究が本格化しました。1974年に国家プロジェクトとして、(当時)通産省の「新エネルギー技術研究開発(通称、サンシャイン計画)」が始まります。化石燃料からの脱却と太陽光などの新しいエネルギーの実用化を目指し、産官学一体で開発が進められました。

小型機器、住宅への採用

1980年代、電卓や腕時計など小型機器への太陽電池の普及が始まるとともに、住宅用太陽光発電システムへの取り組みが活発になります。
1992年、個人住宅から電力会社への逆潮流設備の導入と電力会社による「余剰電力購入メニュー(余剰電力買取制度)」の整備が進みます。さらに1994年には政府による導入費用の補助金制度が開始されました。
これらの技術開発や制度により、1997年日本の太陽光発電導入量は世界1位となります。生産面においてもシャープ、京セラ、三洋電機などの日本メーカーが世界をけん引し、圧倒的なシェアを築きます。

縮小そして推進へ

しかし、2005年に補助金制度(住宅用太陽光発電導入促進事業)が終了したことで、国内市場は縮小、導入量や生産量で世界各国に遅れをとりはじめます。
ドイツやスペインをはじめ欧州ではメガソーラーを大規模に展開、アメリカや中国でも環境意識の高まりから太陽光発電の開発や導入が進んでいます。

2007年、年間生産量で7年連続世界1位だったシャープがドイツメーカーのQセルズに抜かれ、国内の累積導入量も減少傾向に転じます。翌年、当時の福田総理が環境政策を推進するための「福田ビジョン」を発表。さらに、北海道・洞爺湖で行われたサミット(第34回主要国首脳会議)で環境テーマが取り上げられると太陽光発電に再び注目が集まり始めました。

そして、2009年補助金制度が復活し、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「太陽光発電ロードマップ(PV2030+)」が公表されます。また、全国の電力会社10社が2020年度までに全国約30地点、約14万kWの太陽光発電設備を設置する「メガソーラー発電」計画を発表。2011年現在で神奈川県川崎市や北海道伊達市で完成し、運転が始まっています。

広がりを見せる太陽電池の研究・開発

太陽電池の 歴史03

太陽電池の研究開発は現在進行形で行われています。これまで主流だったシリコン系から化合物半導体系、有機半導体系へと広がり、より低コスト・高効率化な太陽電池を目指し各メーカーの取り組みが続けられています。
また、「ジェネシス計画」や「サハラソーラーブリーダー計画(SSB)」といった世界の砂漠地を利用して太陽光発電を行い、超伝導ケーブルで各国へ電気を供給するという世界規模のプロジェクトも立ち上がっています。

今後、太陽光発電がどのように発展し、どのような社会的変化をもたらすのか、私たちも注目していきましょう。

もっと知りたい「太陽光発電について」
太陽電池の仕組み・原理
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